2025年、IT業界はキャリアアップの好機?
2025年は、エンジニアにとってチャンスが広がる年かもしれません。
実際、私は業界の動きを見ていて、そう感じる場面が増えてきました。
今年は、IT業界全体が大きく動くと予想されていて、特にシステム更新やDXの波が本格化しそうです。
転職やキャリアを考える方にとって、今が準備の最適なタイミングかもしれません。
システム更新需要が一気に加速する
注目すべき動きのひとつが、企業によるシステム更改の加速です。
経済産業省が発表したDXレポートでは、「2025年の崖」という言葉が使われていました。
これは、老朽化したITシステムを使い続けることで、業務効率の低下や経済損失が起きるリスクを指しています。
たとえば、多くの企業が導入しているSAPという基幹システムの旧バージョンが、2025年にサポート終了となる見込みです。
さらに、昭和100年問題と呼ばれる日付処理のバグも、今後の課題として注目されています。
こうした理由から、企業はシステム更新を急いでおり、その分エンジニアへのニーズも高まっている状況です。
若手エンジニアへの期待が高まっている
システム刷新の現場では、変化に柔軟に対応できる若手エンジニアの需要が高まっています。
私が現場で見ていても、新しいツールや技術に積極的な若手が、どんどん中心になっている印象です。
特に、クラウド移行やセキュリティ強化のプロジェクトでは、新しい知識を持つ人材が歓迎されやすい傾向があります。
今からしっかり準備をしておけば、案件の幅も広がっていくはずです。
DX推進でIT人材全体の需要も増加
政府の支援もあり、企業のDX化(デジタル活用による業務改革)が進んでいます。
それに伴って、エンジニアだけでなく、ITに関わるあらゆる職種の人材ニーズが拡大しています。
たとえばERPという仕組みは、企業の会計や在庫、人事などを一元管理するシステムです。
便利な反面、一度導入すると更新が難しくなり、保守や改善に時間がかかります。
その結果、新しい技術への対応が遅れてしまい、業務に支障が出るケースもあるんです。
だからこそ、更新や移行に強い人材は、今後も重宝されると考えられます。
独自システムはリスクになりやすい
実際、多くの企業が昔からの独自システムに頼りきっている状態です。
情報量が多くて扱いやすい反面、技術的に古くなっていることも多く、更新には大きなコストがかかります。
ただ、新しい技術のスピードに追いつくには、今のままでは限界があるのも事実です。
少しずつでも改善を進めていくことが、長期的には競争力につながると思います。
2〜3年目エンジニアの転職には注意も必要
一方で、2〜3年目のエンジニアにとっては、転職のタイミングが難しい時期でもあります。
多くの求人では、実務経験3年以上が条件となっていて、応募の時点で書類が通らないケースも見受けられます。
また、短期間での転職が「定着性に不安あり」と判断される可能性も否定できません。
私の周りでも、同じ時期に転職を考えている若手が何人かいますが、みんな慎重に動いています。
今は焦らず、現職でスキルを磨いたうえで、次のステップを目指すのが良いかもしれません。
フリーランスからの再就職もチャンスはある
一時期、SNSや広告などで「フリーランス最高」といった情報が広がりましたよね。
その影響で、実務経験が浅いままフリーに転向した方も増えました。
ただ、案件が安定しなかったり、収入面で不安を感じたりして、再び企業勤務を目指す方も少なくありません。
では、そうした人が再就職できないかというと、そんなことはありません。
事業会社であれば、自社サービスへの貢献意欲を示すこと。
IT企業であれば、キャリアの方向性や成長意欲を具体的に伝えること。
こうした姿勢があれば、十分にチャンスはあると思います。
最近は、若手の採用に力を入れる企業も増えていて、フォロー体制や教育環境を整える動きも目立ちます。
だからこそ、転職を考えるなら、自分のキャリアビジョンを今のうちに明確にしておきましょう
第2新卒・ジュニアエンジニアへの支援が強化中
最近では、企業側でも新人や第2新卒への支援体制がどんどん充実してきています。
とくにジュニア層に対して、研修制度やメンター制度を用意する企業が増えている印象です。
わたしも採用支援の現場で、企業が丁寧なオンボーディング体制を整えている場面をよく目にします。
「経験が浅いから不安…」という方も、しっかり学べる環境が整ってきています。
また、エンジニア向けの転職情報を紹介しているサービスも増えており、選択肢は確実に広がっています。
たとえば、株式会社ESでも現在エンジニア採用を行っており、希望者には無料相談も受け付けています。
公式LINEからメッセージを送ると、キャリア相談にも丁寧に対応してくれます。
独自のSES制度や単価連動の案件選択など、新しい働き方を提案している企業もあるので、柔軟な選択肢を探している方は、気軽に相談してみるのもおすすめです。
詳細設計のみ経験の人材は厳しくなる傾向
一方で、ここ数年で明らかになってきたのが「詳細設計しかできない人材の需要が減少している」という事実です。
これは、開発の効率化や上流工程の重要性が高まっているからです。
最近では、要件定義や基本設計の経験があるエンジニアがより高く評価される傾向があります。
わたしの知人でも、上流工程の経験があるだけで転職活動がスムーズに進んだ例があります。
今後ジュニアエンジニアが求められるのは、単なる開発経験だけではなく、プロジェクト全体を見渡す視点です。
将来を見据えて、少しずつでも上流工程に関わる経験を積んでいきましょう。
Web系受託開発企業は採用基準が厳格に
Web系の受託開発企業では、スキル基準が以前より高くなっています。
理由は、技術の進化と市場の競争が激しくなっているからです。
たとえば、フロントエンドだけでなくバックエンド、さらにはフルスタックの対応力が求められるケースが増えてきました。
さらに、アジャイル開発やDevOpsの知識もあると、採用面でかなり有利です。
とはいえ、こういったスキルはすぐに身につくものではないので、日々の勉強や実践が大事になります。
最近はAIを使って効率よく学べる環境も増えているので、うまく活用していきたいですね。
非IT企業や大手SIerも若手を積極採用中
2025年は、非IT企業や大手SIerでもジュニアエンジニアの採用が活発になる見通しです。
背景にあるのは、DX推進とIT人材の内製化ニーズの高まりです。
たとえば、キリンホールディングスは1500人のDX人材育成を掲げ、自社で研修プログラムを展開しています。
このように、今や飲料メーカーや小売業でも、自社でIT人材を育てようとする流れが強くなっています。
また、大手SIerでは案件の増加に対応するため、若手を採用して教育体制を強化する動きも見られます。
コンサルティングファームも、技術とビジネスの両方に強い人材を求めて採用を進めています。
どの企業でも、研修制度やキャリア支援制度が整っており、ジュニア層には追い風と言えるでしょう。
スタートアップの採用は継続。ただし基準は上昇中
スタートアップ企業の採用熱は2025年も続く見込みですが、採用基準は年々厳しくなっています。
かつては、資金調達を優先して事業よりもスピードを重視する企業も多く見られました。
しかし現在は、地に足をつけて事業を成長させようという企業が増えています。
そのため、AIやブロックチェーンなどの最先端技術に強い人材や、ビジネス視点を持ったエンジニアの需要が高まっています。
「フルスタックが基本」という印象の強いスタートアップですが、新卒やジュニア層を育成する企業もあります。
求人サイトをチェックしていると、意外と有名企業がジュニア採用を始めていたりもするので、こまめな情報収集が鍵です。
最後に:2025年はエンジニアにとって行動の年
ここまで、2025年の採用トレンドを見てきましたが、今年は本当にいろいろな要因が重なっています。
「2025年の崖」や「昭和100年問題」といったシステム更新の波、DXの進展、企業の採用方針の変化――。
こうした環境は、エンジニアにとってリスクでもあり、大きなチャンスでもあります。
私はこの流れを「自分の市場価値を見直す良いタイミング」だと捉えています。
キャリアに悩んでいる方は、まず今のスキルを棚卸しして、今後の方向性を考えることから始めてみましょう。
準備を怠らずにいれば、きっといいタイミングで次のチャンスが巡ってきます。