今回は、未経験からウェブ業界で内定をもらうまでの乗り越え方についてお話ししていきます。
ウェブデザインやウェブ制作などに興味があるけれど、未経験で転職できるか不安な方や、業界のイメージがつかないという方に向けた内容になっています。
最後まで見ていただければ、そうした悩みのヒントになると思いますので、ぜひご覧ください。
コンテンツの構成について
今回の内容は、大きく2つに分かれています。
- 転職前に考えておくべきこと
- ウェブ業界が未経験転職で厳しいと言われる理由
それでは、順番に解説していきます。
転職前に考えるべきこと
まず1つ目は、会社の種類について。
2つ目は、希望する職種や業務内容について。
3つ目は、環境面での違いを理解しておくことです。
そもそも何を目指して働くのか
前提として大切なのは、自分が何をしたいのかを明確にすることです。
どんな会社に入りたいのか、そこで何をしたいのか、将来どんなキャリアを築きたいのか。
これらが曖昧だと、書類選考の段階で落とされやすくなってしまいます。
なので、事前にしっかり考えておきましょう。
会社の種類を知っておこう
ここでは会社の種類を4つに分類してお伝えします。
- 自社制作会社(いわゆるウェブ制作会社)
- 事業会社(自社でサービスや商品を展開している会社)
- ネットショップなどのEC運営会社
- 広告代理店などのマーケティング関連会社
これらの中から、自分のキャリアに合う会社を選ぶために、「自分はどのジャンルに行きたいのか」を考えておくことが大切です。
希望職種・業務内容を考える
次に、自分がどの職種で働きたいかを考えておきましょう。
会社選びのあとには、具体的にどんな役割で働くのかが大事になってきます。
例えば、ウェブディレクターやデザイナー、UIデザイナー、コーダー、プログラマーなど、いろんな選択肢があります。
もちろん、勉強を始めたばかりの段階で明確に決めるのは難しいかもしれませんが、求人は職種ごとに出ています。
そのため、ある程度の方向性は持っておくとよいでしょう。
環境面での違いを理解する
3つ目は、働く環境についてです。
これは、都会と地方による違いや、どこで働くかという場所の問題も含まれます。
たとえば、地方で勉強しながら、東京に出て通勤するという方法もあります。
あるいは、リモートワークで働く方法も選択肢のひとつです。
都会と地方の求人数の違い
求人の多さは、地域によって大きく異なります。
たとえば「Webスタッフ」などの求人サイトを見ると、東京で検索すると約80件、大阪では約69件ほどあります。
一方で、広島は0件、鳥取や沖縄では2件程度。北海道も同様に少ない状況です。
このように、地方と都会では求人の数に大きな差があります。
他の求人サイトで調べても、地方によってはほとんど求人がないことも確認できます。
リモートワークは簡単じゃない?
では、地方の方がどう働くかというと、やはり「リモートワーク」が思い浮かびますよね。
実際、ウェブ業界ではリモートワークが導入されていますが、未経験からフルリモートで採用されるケースは非常に少ないのが現状です。
現実的には「週1回の出社」や「ハイブリッド勤務(出社と在宅の併用)」がまだ主流となっています。
そのため、地方在住でフルリモートを希望するのは、ハードルが高いかもしれません。
最新データから見るリモート実態
令和5年度の「テレワーク人口実態調査」(令和6年3月版)を見てみると、テレワークはコロナ禍を経て徐々に普及しています。
特に、週1~4日出勤の「ハイブリッド型」が増えていると報告されています。
首都圏では約38%の人がリモートワークを行っており、10人中3~4人が実施している状況です。
全国平均では24.8%、近畿圏もそれに近い数値でした。
一方で、中京圏や地方都市になると、その比率は大きく下がります。
フルリモートで働く人は全体の2.5%程度とされ、しかもその中には経験者や他職種の人も含まれています。
つまり、未経験でフルリモートを希望するのは、かなり厳しいと見ていいと思います。
環境の違いを踏まえて準備しよう
こうした背景を踏まえると、やはり「働く場所」や「働き方」は、事前によく考えておくべきポイントになります。
また、会社ごとに求められるスキルや経験のハードルも違うので、「この会社はレベルが高そう」など、自分の中で基準を引いておくことをおすすめします。
そして、自分がそのレベルに対してどれぐらい到達できているのかを、ある程度確認できると、かなり分かりやすいんですけども、これの現実的にイメージしやすい例としては、受験になります。大学だと、平均でこれぐらいの点数を取らないと、このぐらいの大学には受からないよ、この学部には入れないよ、という基準があると思うんですけども、ああいった基準を自分なりに可視化してみて、会社ごとにちょっと分析して作ったうえで、自分の今のレベルではこの会社に届くのかどうか、というところも考えてもらうといいんじゃないかなと思ってます。
転職前には、こういったことをリサーチしたり考えたりして、必ず準備して臨むようにした方が、未経験での転職の場合は良いと思っています。
Web業界未経験転職がきついと言われる6つの理由
① 応募準備に時間がかかる
この「応募の準備に時間がかかる」というのは、ポートフォリオを作ったり、いろんな制作実績を作ったりしていかないと、なかなか制作会社系には入りにくくなる、という点です。そういった準備に、結構な時間がかかってしまうというのがあります。
具体的にどれぐらいかかるのかで言うと、かかる人では半年ほどかかってしまうケースも見ています。早い人だったら1〜2ヶ月とか3ヶ月ですが、その2倍や3倍かかる人も中にはいらっしゃいます。
② 未経験OKの求人がほとんどない
今のこの時代になると、昔に比べて「未経験でもいいよ」とわざわざ求人に書くことが少なくなりました。なぜかというと、未経験OKで出すと、本当に未経験の方が大量に応募してきてしまうので、現場としても未経験の方ばかりを中心に採用したいわけではないんですね。
なので「1年目の実務経験が必要です」といった条件が書かれることが多くなっています。でも、スキルや熱意があれば未経験OKと書かれていない求人でも通ることはあります。諦めずに応募していくのが大事です。
③ 地方求人が少ない
これは、どうしても引っ越しができない方などは、いきなりリモートワークだったり、どうにかして仕事に就くしかないという状況になります。最悪の場合は、仕事のある地域まで引っ越す方も中には見ていますので、これは地域の問題や移動の問題になってくるので、ご本人の家庭の都合や本人次第なのかなと感じています。
④ 書類が通らず面接に進めない
こちらもやはり未経験だからという理由になります。なかなか書類が通らないというのは、1つのハードルです。ポートフォリオなどを改善するのが良いとは思うんですが、実際のところは運的な要素や企業の体制による部分も大きいです。経験が浅い、年齢が高いといった理由だけで弾かれてしまうケースもあります。そこはもう、粘り強く諦めずに続けるしかないのかなと思います。
⑤ 選考課題やテストで1件の選考が長引く
課題やテストがあるというのは、どちらかというとケースとしては少ないんですが、実力が高い会社や、クオリティが高い制作物を提供している会社様が多いです。そういったところを目指していきたいという方は、1つの選考に1ヶ月ぐらいかかるケースもあるので、時間がかかることを覚悟しておいてください。
⑥ 転職までの道のりが長くモチベが続きにくい
半年から1年、今だと平均して1年弱ぐらいかかるんじゃないかなと思います。「よし転職しよう、勉強しよう」と思っても、距離がなかなか長いんですよね。そうなると、挫折するリスクも出やすくなりますし、「モチベーションが続くのか」「仕事をいつ辞めるのか」「辞めてからちゃんとご飯食べていけるのか」というところの不安も出やすくなります。
未経験転職を成功させる4つのポイント
① ポートフォリオを磨こう
ポートフォリオを良くしていかないと、書類の通過率が悪くなります。これは制作会社に限らず、制作実績を良くしてクオリティを高くし、「自分はこんなことができますよ」とスキルアップしておくのは、やって損はないです。第三者が見て「あ、この人いいね」と思ってもらえるようなポートフォリオや制作実績を、1つ、2つ、3つと作っていけば、どんどん可能性は広がっていきます。
② 応募先の幅を広げてみよう
制作会社以外にもネットショップ系だったり、マーケティング系、代理店さんなども含めて探してみる、という方法です。ギャラリーサイトに載っているような有名な会社に行きたいという人の気持ちはすごく分かるんですが、そこに入れる新人というのは、本当に本当にごくわずかなんですよね。
まずは範囲を広げて、自分が入れる会社に入る。今の自分の身の丈に合った会社を選ぶ、というのはすごく大事だと思います。
③ 履歴書・職務経歴書など提案内容を見直そう
ポートフォリオと同じく、履歴書や職務経歴書も定期的に見直した方がいいです。どこまで見られているかは正直わからないんですけども、当日の資料を作ったり、応募書類が通りやすくなるように、その会社ごとにしっかり書き分けていく、そういった細かい作業が重要です。
④ 改善とチャレンジを繰り返そう
あとは、単純にやるだけです。正直、やれることは少ないです。自分が今あるそのままで、素直に戦うしかありません。なので、ポートフォリオを良くする、書類を良くする、会社のことをリサーチして徹底的に提案する、という方向に落ち着きます。
実務経験を優先して確実にキャリアを築こう
未経験の場合、最終的には「自分を受け入れてくれる会社にまず入る」というのが大事なんですよね。そうすれば、もう未経験ではなくなるわけです。会社での仕事内容はわからないかもしれませんが、経験を早く積むことの方が重要です。
なので、自分が入りたい会社にすぐ入れない場合は、早めに方向性を変えて、入れる会社にまず入りましょう、というのがご提案になります。
そして、実務経験を1年確実に作ってから、その後を考えた方が圧倒的に早く進めます。まずは、自分の身の丈に合った会社を早めに見つけて、「自分だったらここで活躍できる、こういうことができるんじゃないか」というところを考えて、早く応募して早く決めていくことをお勧めします。そして同時に、ポートフォリオや制作物、スキルのレベルアップを並行して進めていってください。