あなたは、転職候補の会社にサービス残業があるかどうか、確実に見抜く方法をご存知ですか?
今回は、実は企業があまり知られたくない「ブラック企業の見抜き方」を徹底解説します。
ブラック企業の見抜き方
面接は遅めの時間帯を狙え
まず、意外と知られていない方法としては、「できるだけ定時に近い遅めの時間帯に会社訪問して面接してもらうこと」です。
これによって、その会社の社員が定時で上がれているかどうかを確認することができます。
もし会社が近くにあるなら、実際に訪問してみて、深夜にオフィスの明かりがついているかどうかを確認するのも一つの手です。
また、用事があるふりをして、あえて遅い時間や休日に電話やメールを送ってみるのも効果的です。
内定後こそ、聞きづらいことを全部聞くべき
そして、最も重要なのが、内定さえ出れば、聞きづらいことでも必ず何でも聞くべきだということです。
残業の実態や離職率などを内定前に聞くと選考結果に悪影響を与える可能性がありますが、一度内定が出れば、雇用契約によって給与などの労働条件が確定するため、基本的に何を聞いても内定が取り下げられることはありません。
企業側が一方的に内定を取り消すことは、**法律上「内定取り消し=不当行為」**とみなされるからです。
一方で、求職者側はいつでも内定を辞退してOK。法律上の問題はありません。
ただし、内定を承諾した後に辞退すると企業に多大な迷惑がかかるため、承諾前にすべての懸念点を聞いておくべきです。
その際は、できるだけメールで質問してエビデンスを残すことで、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
懸念点があるなら、内定承諾を一時保留にしても問題はありません。ただし、企業側が設定する保留期間は通常1週間程度と短いため、複数社受けている場合は面接のタイミングを揃えることをおすすめします。
内定が複数あれば交渉材料になる
ちなみに、複数社の内定を持っていたり、他に最終面接を控えている場合、エージェントは積極的に条件交渉の材料にしてくれます。
その結果、給料が上がる可能性が高くなるのです。
これは、転職者のオファー年収が上がるほど、エージェント側の紹介報酬も高くなる仕組みになっているからです。
結論:内定から承諾までにすべて聞き切るのが確実
結論としては、「内定から承諾までの間に懸念点をすべて聞き切ること」が、ブラック企業を見抜くための最も確実な方法です。
しかし、そこにたどり着くまでにも企業研究・面接対策など、時間と労力がかかるのが現実です。
そこで、最初の求人票から面接・内定後までにブラック企業を見抜く全41選の完全版を徹底的に解説します。
【求人票で注意すべきポイント】
まず、「求人票」で絶対に注意すべきなのが、休日と残業に関する記載です。
週休2日制と完全週休2日制の違い、説明できますか?
例えば、あなたは以下の質問に答えられますか?
- 「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いは?
- 「みなし残業」で基本給が低いと何がダメなのか?
- 「年俸制」でも残業代は支払われるのか?
この質問にきちんと答えられないと、ブラック企業に引っかかるリスクが非常に高いと言えます。
「週休2日制」に要注意
「週休2日制」とは、毎週2日休みがあるという意味ではありません。
これは、「月に1回以上、週に2日の休みがある週がある」ことを意味します。
つまり、2日休みの週が月に1回でもあれば、残りの週は1日休みでもOKなのです。
結果として、「週休2日制」と書かれていても、月に5日しか休みがないことすらあります。
ただし、企業によっては「週休2日制」と書きつつも、実際には毎週2日休ませているところもあるので、詳細をしっかり確認することが重要です。
「完全週休2日制」なら毎週2日休み
「完全週休2日制」とは、毎週必ず2日間休みがあることを意味します。
基本的には土日休みが多いですが、これは**「土日が休み」とは限りません**。
さらに、求人票に祝日についての記載がなければ、祝日は出勤の可能性が高いです。
祝日の書き方で休みが変わる?
例えば以下のような表記に注意してください。
- 「完全週休2日制(土日祝)」
→ 毎週土日休みかつ祝日も休み - 「完全週休2日制(土日or祝)」
→ 土日祝の中から2日だけ休み。祝日は出勤の可能性あり - 「完全週休2日制(土日)」のみ
→ 祝日は出勤になる可能性が高い
このように、記載の仕方ひとつで休日の扱いが変わってしまうため、しっかりチェックしましょう。
【みなし残業の落とし穴】
「みなし残業」とは、給与の中にあらかじめ一定時間分の残業代が含まれている制度です。
例:みなし残業40時間
「みなし残業40時間を含む」と記載されていれば、残業がなくても40時間分の残業代が支給されることになります。
一見するとお得に見えますが、基本給が極端に低く設定されているケースが非常に多いため、内訳を必ず確認しましょう。
基本給が低いとどうなる?
- 賞与(ボーナス)が基本給をベースに計算されるため、賞与が低くなる
- みなし時間を超えた分の残業代が支払われないことがある
- 転職時、基本給ベースでオファー年収を見られるため、次の年収交渉に不利
ただし、逆に基本給が高く設定されている場合、みなし残業制度があることで「**定時で帰っても残業代がもらえる」**というケースもあります。
そのため、自分に合った給与制度を見極めるには、基本給と残業代の内訳をしっかり把握することが大切です。
年俸制でも残業代は必要
「年俸制」は、1年分の給与をあらかじめ決めて、毎月分割で支払う制度です。
ここで注意したいのは、「年俸制だから残業代が出ない」という考えは完全に違法だということ。
求人票に「超過分の残業代を支給」と明記されていない場合は、危険信号です。
固定残業代の内訳も要チェック!
さらに、「固定残業代の内訳」が記載されていない求人も多く見られます。
そのような場合は、必ず以下の3点を確認しましょう。
超過分の残業代が支給されるかどうか
みなし残業の時間数
固定残業代の金額
求人票で注意すべき表現とは?
まずは、求人票に記載されている内容で注意すべきポイントを解説していきます。
よくあるのが、**「アットホームな職場」「感動」「挑戦」**など、抽象的でふわっとした言葉が多用されているケースです。こうした表現は具体的なイメージが湧きにくく、実態をごまかしている可能性があるため要注意です。特に「社員同士の距離が近い」という表現は、プライベートをしっかり分けたい人には向かない職場環境かもしれません。
長期間掲載されている求人にも注意
次に、「23ヶ月以上、ずっと掲載されている求人」は、離職率が高い可能性があります。つまり、大量退職を見越して常に大量募集・大量採用している会社ということです。求人掲載の一般的な期間は4週間、長くても2ヶ月程度とされているため、それを大幅に超えている場合は警戒が必要です。
給与や休日の見せ方に要注意
給与が異様に高く見える場合は、固定残業代や業績給が含まれているケースが多いです。基本給が低く設定されている可能性もあるため、内訳をしっかり確認しましょう。
また、年間休日が105日以下の場合は、ブラック企業の可能性が高くなります。逆に120日以上あれば、ホワイト企業の可能性が高まります。
あいまいな業務内容の記載にも要注意
「プロフェッショナルアドバイザー」「やりがいのある仕事」など、業務内容がふんわりしていて具体的に想像しにくい場合も注意が必要です。こうした表現の裏には、クレーム対応やノルマが厳しい営業職など、敬遠されやすい仕事をオブラートに包んでいる可能性があります。
その他の注意点
- 使用期間が4ヶ月以上
→ 試用期間中に給料を低く設定したり、簡単に契約終了できる可能性があります。 - 年収の振れ幅が300万〜1000万など大きすぎる
→ 激務な不動産営業など、成果報酬型で非常に厳しい職種であることが多いです。 - 休憩時間が120分など、異様に長い
→ 長時間残業が前提になっているケースがあります。 - 家賃手当が「会社から◯駅以内」など条件付き
→ 近くに住まわせて通勤時間を削減し、より長時間働かせる狙いがある可能性も。 - 社員旅行の写真ばかりが目立つ
→ 他にアピールポイントがない恐れがあります。 - 「若手活躍中」
→ 若手ばかりということは、離職率が高く定着しない可能性があります。 - 「未経験歓迎」「学歴不問」「年齢不問」
→ 応募条件が緩すぎる場合は、とにかく人手が欲しいだけで、誰でもできる仕事の可能性も。 - 社名が何度も変わっている
→ 怪しい事業内容だったり、過去の口コミを隠すために社名変更していることもあります。 - 「頑張った分だけ評価」
→ 裏を返せば、頑張らないと稼げないということ。完全成果主義の可能性があります。
SNSを活用して社内事情をチェックしよう
求人票だけでは分からない実態を把握するには、Twitter、Facebook、LinkedInなどのSNSで、社名を検索し、DMで現役社員やOBに直接話を聞いてみるのも有効です。
フォロワー一覧などを通して友人の知り合いが見つかれば、さらに詳しい話が聞けたり、リファラル採用(社員紹介)につながる可能性もあります。
また、以下の口コミサイト4つを必ずチェックしましょう。
- オープンワーク
- キャリコネ
- 転職会議
- Googleマップ
これらを総合的に判断することで、実態が見えてきます。
面接でブラック企業を見抜く方法
面接の場で注意すべきポイントは?
- 直属の上司が面接に出てこない
→ 配属先が決まっておらず、誰でもできる業務の可能性があります。 - 面接官が全員若すぎる
→ 社員全体の年齢が若く、離職率が高いことが考えられます。 - 横柄な態度を取る面接官
→ 社風がそのまま現れている可能性があります。 - 面接回数が1回のみなど、少なすぎる
→ とにかく人手が欲しいだけで、選考に慎重さがない可能性があります。 - 質問に対する回答が曖昧
→ たとえば「年末年始の休暇は?」と聞いても「人による」「時期による」などの曖昧な返答は注意が必要です。 - 選考結果の連絡が異常に早い
→ 「すぐ内定が出る」場合は、離職率が高く常に人が足りないサインです。 - オフィスの受付やトイレが汚い
→ 社内環境に気を配っていない可能性があります。 - 社員がデスクで食事している
→ 休憩時間さえも業務に追われているかもしれません。
内定後にチェックすべきこと
内定が出たら、まず承諾までの期間を確認してください。通常は1週間程度の検討期間があるはずです。これを設けず、すぐに受諾を迫ってくる企業には注意が必要です。
雇用契約書で確認すべき5項目
契約書には以下の5項目がきちんと記載されているかを確認しましょう。
- 雇用形態
- 勤務地(転勤の有無)
- 給与・賞与の内訳と支給条件
- 勤務時間・残業の目安
- 評価制度や昇給条件
特に転勤の記載については、「可能性あり」と書かれていても、実際どのくらいの頻度で、入社後すぐにあるのかなどが書かれていない場合が多いので、必ず確認しましょう。
また、残業の実態や賞与の支給条件、「標準で2ヶ月」といった曖昧な表現の真意も必ず聞いてください。記載義務がない項目でも、聞かなければ分からないことは必ず確認しておくべきです。
自分にとっての「働きやすさ」とは?
ただし、ここまで挙げた特徴があったからといって、すべての人にとってブラック企業というわけではありません。
たとえば、
- 「とにかく定時に帰りたい」「プライベートを大事にしたい」人にとっては、休日や勤務時間が重要な要素。
- 一方で、「結果さえ出せば見返りが大きい」「残業も苦にならない」という人には、評価重視の会社が合っている場合もあります。
大切なのは、あなた自身が何を大事にして生きていきたいか。自分の価値観・得意分野・譲れない軸を見つめ直し、それに沿ったキャリアプランを描くことが何よりも大切です。
最後に:転職活動を成功させるために
ブラック企業を見極めるうえで特に気をつけるべき求人票のワードは以下の通りです。
- 「週休2日制」「みなし残業」「年俸制」
休日については一覧表で具体的に確認し、みなし残業は内訳と基本給をチェック。年俸制なら、超過分の残業代がきちんと支払われるかを確認しましょう。
面接・会社訪問のタイミングにも工夫を
できるだけ定時に近い時間に訪問することで、残業の実態が見える可能性があります。
また、一度内定が出れば基本的に取り消されることはありません。聞きづらいと感じることも、残業や報酬のことなど、すべて質問して確認するようにしましょう。